動脈硬化にならないために
メタボリックシンドロームという言葉をよく耳にすることがあります。
メタボリックシンドロームというものの対策も考えられるようになった本来の目的は、動脈硬化から起きる循環器病をいかに予防するかということなのです。
その循環器病とは、心筋梗塞、狭心症などの心臓の病気、そして脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などのことです。
動脈硬化になっても、ある程度症状が進まないことには、なかなか症状がでてこないところが、この病気の恐ろしさです。
しかも、動脈硬化によって起こる循環器病は、主に働き盛りの人に突然発症することが問題になっています。
生命に関わるほどの重大な病気になることも多々あり、それに伴う後遺症も深刻です。
メタボリックシンドロームをそのままにしておくと、それはやがて動脈硬化を引き起こすことになるのです。
動脈硬化にならないために、メタボリックシンドロームの段階でしっかり対策ができていなければなりません。
つまり、もしメタボリックシンドロームに陥ったとしても、それ以上悪化しないように、努力を続ければいいというわけです。
肥満の対策を講じるようにすれば、必ずしも動脈硬化につながるというわけではないということです。
そのためにまずメタボリックシンドロームの対策として生活習慣を見直して、運動を心がけることが大切です。
メタボリックシンドロームを改善するように努力しさえすれば、誰しも健康な体には戻ることができるでしょう。
メタボリックシンドローム
内蔵に脂肪が蓄積すると糖尿病、高脂血症、そして肥満症や高血圧、などの生活習慣病が起こりやすくなりますが、このような状態のことをメタボリックシンドロームといっています。
これらの病気は同時に発症することが多く、そして重複すればするほど動脈硬化になりやすくなってしまいます。
日本人の三大死因といわれている病気はがん、脳卒中そして心臓病になっています。その中の心臓病と脳卒中が入っている、いわゆる循環器病の元となるのが、この動脈硬化なのです。メタボリックシンドロームを予防すると、そんな生活習慣病までも予防することにつながるのです。
メタボリックシンドロームの基準には、2005年に日本肥満学会から
- 男性は腹囲85cm以上
- 女性は腹囲90cm以上
と発表されました。
それに加え、
- 血圧130/85mmHg以上
- 中性脂肪150mg/dL以上またはHDLc40mg/dL未満
- 血糖110mg/dL以上
という基準が含まれるのです。
しかしながらその基準値は、日本とWHO、またアメリカとでもそれぞれ違っているのです。
しかもその予防法は、基準値自体で必ずしもはっきり判断できるといいきれるわけではないため、様々に分かれています。
メタボリックシンドロームの人がかかりやすいと考えられている糖尿病、心筋梗塞、脳卒中は医療費の約30%を占めています。
事態を重く見た厚生省は、予防のためにも生活習慣病患者とその予備軍を2015年までに25%減らす目標を掲げました。
このような経緯で、メタボリックシンドロームを予防するための保健指導が開始されることになったのです。